硬いものから柔らかいものまで自由自在。「あったらいいな」が実現できます!

例えば、硬いものを柔らかく、重いものを軽く、厚いものを薄く・・・

近代においてプラスチックとは、もはや生活には欠かせない重要な素材としてその市場を拡大してきました。ウレタン(ポリウレタン・PU)は熱硬化性樹脂に属するプラスチック樹脂のひとつです。金型を使ってウレタン樹脂を流し込み、製品を作る方法を「ウレタンRIM成形」と呼びますが、実は非常にニッチな産業でもあります。
ウレタンというワードを耳にすると、きっと「スポンジやマットレス」のような柔らかい素材を思い浮かべる方が多いと思います。
実はウレタン、非常に自由度の高いプラスチック樹脂材料で、その柔らかさや硬さが自由にコントロールでき、曲げても折れない材質や、ハンマーで叩いても割れない強度の硬質ウレタンだったり、クッション材のような柔らかさでも反発力をコントロールしたり、ちょうどよい快適さの柔らかさにしたり、ゴムのような挙動を示す材質にも自在に使い分けることができるのが特徴です。
さらに金型費は大量生産向きのインジェクション成形にくらべ圧倒的に安価であることから、少ない量の生産にも対応ができることがメリットのひとつでもあります。

ウレタンRIM成形

ウレタンでできること

やわらかい「軟質ウレタン」

生まれたての赤ちゃんから、高齢者、障がいのある方までもが、みんな安心して使えるやさしい素材

なんといってもウレタン最大の特徴といえば、やわらかい素材としてのメリットが挙げられます。実際に、乳幼児が利用する保育園や病院などで導入されている製品も然り、普段睡眠を取る際に快適さを補うマットレスや、椅子や乗り物のシートもウレタンだからこそできるやわらかさがあることから一般的にも広く使われています。

元気いっぱいの小さなお子さんはどうしても動き回って遊んでしまいがちで、高齢の方は転倒する機会も多くなり、障がい者の方にとってはやさしい素材でなければならない製品を身近に必要とされるシーンが多くなりがちなことと思われます。
そんな時にこそ、様々なやわらかさを表現できるウレタンこそが、様々な人の生活シーンの中でもお役に立ちます。
生卵を落としても割れない素材や、逆に転倒時でもその衝撃を吸収するのではなく跳ね返すことでケガのリスクを抑制するような素材、肌に触れるからこそ必要となる快適なクッション感など、やわらかさだけではなく、反発性もコントロールすることができます。
ワエストロではオーダーメイド型の材料開発ができることから、やわらかさや反発弾性に関するご要望にもその都度お応えしております。

軟質ウレタン
 

ウレタンでできること

硬い「硬質ウレタン」

実はウレタン、硬いものだって作れるんです!

プラスチックと聞いてイメージするのは、PP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)、ABSなどの硬いものを思い浮かべる方はきっと多いはず。
そんな硬いプラスチック同様に、実はウレタンでも硬いものを作ることはできるんです。しかも、それぞれのプラスチック素材が持つメリットだけをそのままコピーするような材料を作ることができるため、使用用途や目的に合わせた素材にすることができます。
一例として、PPとABSの特性を50%ずつ振り分けた材料を作ることも可能です。

ウレタンは発泡することができるため、軽量化にも適した素材としても知られており、軽いと定義されているPPよりも軽くすることだってできます。また、発泡すると同時に断熱性も向上するため、冷蔵庫の断熱層や車のエンジンカバーなどにも使用されています。さらに、インジェクション成形(射出成形)では難しいとされる厚さ1mm以下の成形が可能で、弊社では0.5mmからの成形に対応しています。このロジックとしては、金型の中にかかる圧力の差にあります。PPは1平方センチあたり350kg相当の圧力がかかりますが、対してウレタンはたったの3kgしかかからないこと。また、樹脂原料自体が液体のため、薄い、あるいは細い隙間にも樹脂を流し込みやすいためです。
すなわち、インジェクション成形ではできない領域の成形でも、ウレタンRIM成形であれば実現できることから、プラスチックに関する様々なお困りごとの解決手段としても大いに役立つ素材であると考えます。

硬質ウレタン

究極の硬質ウレタン、「ウレタンウレア」

ポリウレタンとポリウレアを尿素結合させたハイブリッドウレタン材料がこのウレタンウレアです。大きな特徴としては、とにかく硬くて強く、強度に優れることが挙げられます。そして、約110℃までの熱に耐えることができるのも、このウレタンウレアのアドバンテージでもあります。プラスチック樹脂の多くは耐熱性に限りがあり、上限値を超えた高温条件下では変形してしまいます。そんなときに選択肢としてこのウレタンウレアを使用し、素材としてのグレードを極限まで高めることで領域の高いニーズにも対応が可能となります。

主にヨーロッパで金属からの樹脂化を行う際や、耐熱性を向上させたい場合などで使われることがありましたが、日本国内ではあまり使われていません。なぜなら材料設計に豊富な知見とノウハウが必要となること、ゆえにその特殊性からも市場全体の供給量があまり多くないことなどが挙げられます。弊社ではウレタンウレア材料でも自社でブレンドできることから、日頃より硬質ウレタン製品でも物性要求の高い製品の製造に使っています。軽量化などを目的とした金属から樹脂へのコンバート、強度が必要な製品の生産、耐熱性が必要な製品開発などでは是非このウレタンウレアをご指定ください。

ウレタンウレア
 

ウレタンでできること

燃えにくくした「難燃ウレタン」

万が一、引火しても燃え広がるのを防いでくれます。

ウレタン樹脂の中に難燃剤を加えることによって、火がついても燃えにくくできるのがこの難燃ウレタンです。

特に自動車のMVSS基準にあるように、電車、飛行機などのモビリティの分野では使われるパーツにおいては燃えにくい素材であることが求められます。ビル・住宅などの建物に使われる建材や家具に関しても、消防法の厳しい水準を満たすため、日本防炎協会の認定する防炎製品の使用が義務付けられていたりします。
弊社ではモビリティのパーツだけでなく、建材などの分野においても防炎製品の開発および量産にも取り組んできた実績がございます。難燃ウレタンのご相談につきましてもお気軽にお申し付けください。

難燃ウレタン
 

ウレタンでできること

バイオマスウレタン

 

バイオマスウレタン製品のシェア率を向上させ、地球にもやさしい社会の実現へ

従来の石油由来でできたウレタンを、植物などの自然由来の原料に置き換えて作られるのがこのバイオマスウレタンです。昨今ではウレタンの二大主原料であるポリオールに植物由来の原料を使う方法が用いられており、弊社でも竹の成分を抽出した原料での開発実績がございます。

再生可能な植物資源を原料とすることで、化石資源への依存度を低減しつつ、同時にCO2排出量の削減に貢献するとして近年注目されてきていますが、まだまだ製品化まで至らないケースが多いのが現状です。弊社ではバイオマスウレタンを使用するに相応しい製品に関しては、可能な限りバイオマスウレタンの使用をご提案させていただいております。リサイクルが究めて難しい熱硬化性樹脂のウレタンだからこそ、ワエストロではより多くのバイオマスウレタンでの製品を世に出していくことを目標にしながら日々研究開発を行っております。

バイオマスウレタン
 

ウレタンでできること

バラエティに富んだユニークな成形方法

インモールドコート成形

一般的にはあまり聞き慣れないワードですが、簡単にご説明するのであれば、金型内で表面塗装と樹脂成形を同時に行う技術のことです。一部の車のステアリングや、農機・建機のシート、アームレスト、手すり、アミューズメントパークにあるアトラクションで使われている安全バーなどなど、皆様の日常にある多くの製品もこの「インモールドコート成形」で作られていたりします。
また、単に塗料で色をつけるだけでなく、木目調やカーボン調、革、デニム調などの凹凸形状のいわゆる「シボ」も同時に転写させることができるため、よりリアルな質感と触感、そして風合いまでもが実現できます。
生産時の工程削減にもつながることから、活用しがいのあるウレタンの成形技術として重宝されています。

 

インモールドコート成形に使用される塗料は主にウレタン系塗料を使うことから表面で撥水ができ、摩擦にも強く、柔らかい質感であることから、製品のお手入れもしやすくなることが特徴です。

ウレタン インモールドコート成形

インサート成形

インサート成形とは、ウレタン樹脂と他の素材とを、金型内で一体化して成形する技術のことです。例えば、ボルトなどの金物を使って他のパーツに組み合わせる必要のある製品は、あらかじめナットを金型内に配置し、ウレタンを流し込むことによってウレタン樹脂と一体化されます。仕上がった製品にセットされているナット部分にボルト締めをすることで他のパーツを接合することができます。また、金属製の取っ手や磁石などとも一体で成形できることから、接着性の高いウレタン樹脂と一体化することで強度も向上し、取り付けの手間も省くことができます。

さらに、金物や他の樹脂部品だけではなく、フィルムやシートでもインサート成形は可能です。製品表面にデザイン性の高いフィルムが欲しい場合には、あらかじめフィルムを金型に定着させておきながらウレタン樹脂を流すことで、ウレタン樹脂自体が接着剤となってフィルムと一体化します。主に自動車の内装や各種製品のカバーなどで広く使われている技術となります。

ウレタン インサート成形

インテグラルスキンフォーム

インテグラルスキンフォームとは、製品表面にわざと厚い皮(スキン)の層を形成させ、内部だけを発泡させるウレタンフォームの構造を指します。表面層を厚くすることで強度が増すだけでなく、防水効果や摩擦にもより強いウレタンフォームとなります。スポーツ用品やフィットネス向け建材などでも使用をおすすめできるウレタンフォームです。

従来まではフロンを使ってインテグラルスキンフォームの成形を行っておりましたが、段階的に使用が禁じられたり、直接オゾン層破壊にもつながることから環境面の配慮が必要なため、弊社ではフロンの代替として水発泡でのインテグラルスキンフォームを成形しております。

ウレタン インテグラルスキンフォーム

ウレタンのことならなんでもご相談ください

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弊社の特許技術や材料組成、そのほかウレタンRIM成形に関するご相談は随時メールにて承っております。
また、情報のご開示に差し当たりまして、事前にNDAのご締結をご希望の場合は何なりとお申し付けください。
なお、弊社工場のご見学およびお立ち入りにつきましては、弊社ノウハウの保護ならびに弊社お取引先様などの機密保持のため、すでにお取引のあるお客様、あるいは事前にNDAを締結したお客様のみに制限させていただいておりますので、あらかじめご了承ください。

 

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