離型剤レス製法
特許第5618281号
硬質ウレタン成形品表面に離型性の優れた熱可塑性樹脂の皮膜を形成し、閉じた金型の空間にウレタンを注入し成形する技法です。仕上げ工程が不要で、加飾性が大きく向上し、かつ人的コストも圧縮できることから大幅なコストダウンも可能で、作業環境の改善にもつながります。
従来ウレタンRIM成形では、金型から製品を脱型させるために離型剤の使用が不可欠です。ただし、この離型剤は成形型への塗布作業の工程や、成形型へこびりついて蓄積された離型剤のメンテナンス、製品表面に付着した離型剤の処理工程など、いくつもの課題が有り続けてはエンジニアを悩ませ続けてきました。
そこで弊社は離型剤の替わりに、熱硬化性樹脂のような接着効果のない熱可塑性樹脂溶液を20μ程の膜圧になるようスプレー塗布し、固着後に成形型を閉じ、その空間へウレタン樹脂を注入し、成形品表面に熱可塑性樹脂皮膜を付着させた成形品を得ることに成功しました。
この熱可塑性樹脂被膜は塗装前処理であるプラサフの役目も行うことから、大幅な製造工程の削減にも繋がり、比例しておのずと人員および製品コスト削減にもつながる技術となりました。
インジェクション成形からウレタンRIM成形へのシフトや、初期投資を抑えた量産ラインの構築についても実現が可能な技術となっており、新たな量産方法の選択肢として採用が進んでいます。
※表面に付着する熱可塑性樹脂の物性から、基本的には硬質ウレタンの成形に向いた製法となります。硬度の高い軟質ウレタンへの使用はご相談ください。